ビットコイン(仮想通貨)の事件とは?過去に起きた事件と対策を調査

scam

SHARE

ビットコイン(仮想通貨)の事件とは?過去に起きた事件と対策を調査

ビットコインや仮想通貨にまつわる事件と言えば、何と言ってもコインチェックのハッキング事件が記憶に新しいですね。

読者の中には実際に巻き込まれたという方も多いのではないでしょうか。

道具は良い使い方も出来れば、悪い使い方も出来ます。

新しい技術は 既得権者にとって脅威となることもありますし、それが斬新であればあるほどなかなか理解されず、また社会に混乱をもたらすこともあります。

しかし、総じてメリットの方が多ければその技術は普及し浸透して行くのでしょう。

今回はこれまでに起こったビットコインや仮想通貨関連の事件を振り返ってみることで、そこから対策や教訓を学び、また過去の事例から今後、仮想通貨を取り巻く状況がどのように推移していきそうかも見て行きましょう。

1.キプロスで世界初のビットコインATMが出来る。

キプロスってどんな国?

東地中海に浮かぶ人口90万人弱の小さな島国であるキプロスは、人口が少なく国土も狭い国の多くがそうであるように金融と観光をメインの産業としています。

そんなキプロスは2018年のリーマンショックでその基幹産業の金融が大きくぐらつきました。

ぐらついている中でEUに加盟し、通貨もキプロスポンドからユーロに変わったので金融機関はその変更に伴う作業でてんやわんやになります。

そこに追い打ちを掛けたのが2012年のギリシア危機でした。

住民の7割以上がギリシア系で、元々ギリシアとの結びつきが非常に強いキプロスは、銀行が保有していたギリシア国債が不良債権化したことで財政破綻の危機に瀕しました。

預金封鎖!

3月16日土曜日、キプロス住民と、キプロスに口座を持っていた海外の富裕層(3分の2がロシア人)は突然の突然の預金封鎖の発表に騒然となります。

EUとIMF(国際通貨基金)は、 キプロスにある銀行の口座預金からも58億ユーロ分を『税金』として徴収するという条件で財政破綻に瀕したキプロスに100億ユーロの支援を請け負ったのですが、見方を変えれば『人々の資産』であったはずの58億ユーロが突然、「それは税金」だとして持って行かれたということでもあります。

預金封鎖は約2週間続き、その間、オンラインバンクで預金を外国に逃がすことも、外国から送金することも出来ず、ATMで現金を引き出すことも出来ないのですから、当然、大パニックになりました。

その混乱の中でも、預金封鎖前から資産の一部を中央集権型の金融システムの外にあるビットコインに替えていた人は難を逃れます。

ビットコインに世界の注目が集まる

3月28日に銀行が再開した際には、10万ユーロ以上の預金には9.9%、それ未満の預金には6.75%の預金税が取られていて、更に現金の引き出し額にも制限がかかっていました。

一方、ビットコインATMでは保有しているビットコインの分だけ引き出すことが出来ました。

また、持っていたビットコインが預金税で目減りすることもありませんでした。

財政支援の条件とし58億ユーロの「預金税」が発表された3月15日には46.95ドルだったビットコインは、銀行が再開する前日の27日には88.92ドルまで上がっており、キプロスの事件とは無縁の投機家の買いも入って、それから2週間に満たない4月9日には230ドルまで暴騰し、世界の注目を集めることになります。

世界の金融経済の不安定性を指摘する人もいるが…

今では世界各地にあるビットコインATMですが、最初に出来た場所が地中海に浮かぶ人口わずか90万人未満の小国キプロスというのは興味深いですね。

2018年2月、3月のニューヨーク市場の急落は記憶に新しいですが、世界的に金融経済の不安定性が増していると指摘する人もいます。

仮想通貨に投資しているのは値上がりを期待して買っている人が大半でしょうけど、ビットコインを持っていたおかげで助かるみたいことも、もしかしたらあるかもしれないですね。

2.マウントゴックス事件

仮想通貨界を激震させた巨額盗難事件

キプロスで預金封鎖が起こって間もない2013年4月の時点では世界でのビットコイン取引の70%が行われていた当時最大の取引所、東京を本拠とするマウントゴックスがハッキングにあい、85万BTCと28億円分の顧客からの預かり金が消失したとして倒産します。

今日では仮想通貨取引所がハッキングされたり預けていた仮想通貨が失われることを「ゴックスする」と言いますが、もちろんこのマウントゴックスの事件から来ています。

ビットコイン、大暴落

この事件を受けてビットコイン価格は12万円代から2万円代に大暴落。

また、世間一般のビットコインに対するイメージは2017年に仮想通貨全般が高騰するまで「なんだかよくわからないけど胡散臭いもの」で定着します。

「ビットコインというものが破綻したのだ」と誤解した人も沢山いました。

カルプレス氏逮捕

ハッキングで盗まれたのではなく、社長であったマルク・カルプレス氏による横領だったという容疑でカルプレス氏は2014年8月に逮捕されます。

裁判でカルプレス氏は一貫して無罪を主張するものの、氏の横領の線でほぼ決着するかに見えました。

しかし、2017年7月27日にギリシアでアレキサンダー・ビニック氏が逮捕されたことで事件は大きく転換します。

真犯人?アレキサンダー・ビニック容疑者

氏は少なくとも4000億円分以上のビットコインを6年間の間にマネーロンダリングしたという容疑で逮捕されました。

ブルガリアでBTC-eというビットコイン取引所を運営していたロシア人男性です。

マウントゴックスからハッキングしたビットコインを自身の運営する取引所や別の取引所を通して資金洗浄した疑いが持たれています。

ただ、そもそもマウントゴックスをハッキングしたのは誰か別の人物だとされており、捜査の進展が待たれます。

取引所には常にリスクがある

ビットコインのブロックチェーンは2009年に誕生してから今まで一度も破られたことがありませんが、取引所の運営は時にミスをすることもある人間が行っており、また仮想通貨取引所をうまくハッキング出来たら一気に超大金が手に入るので、実際、常に世界中から狙われています

コインチェック事件でも改めて認識されたことですが、ゴックスリスクを避けるには取引所に預けっぱなしにしないことです

ハードウェアウォレットを使用する

ネットに繋がっていないハードウェアウォレットで仮想通貨を保管しておけば、それだけでハッキングで盗まれるリスクは大きく減ります。

人気のハードウェアウォレットにはTrezorLedger Nano Sなどがあり、それらのハードウェアウォレットを使えば絶対に安全という訳ではありませんが、それでも現時点では最も安全性の高い保管方法と言えます。

更なる安全のためには

ウィルス感染のリスクを減らすために仮想通貨取引以外には一切使わないコンピューターを一台持ったり、不特定多数が使用するWi-Fiから仮想通貨取引所にアクセスしないなどすれば、更にセキュリティは高まるでしょう。

あと、「セルフゴックス」のリスクも忘れてはいけません。

折角ハードウェアウォレットに保管していたのに、パスワードやパスフレーズが分からなくなって中に入れていた1億円分のビットコインを取り出せなくなったというような人は結構います。

また、持ち主が突然亡くなって遺族が中のビットコインを取り出せないというような場合もあります。

火事や洪水などがあっても大丈夫な場所にパスフレーズを保管しておくなどすると良いかもしれませんね。

3.ロシア、ビットコインシティ建設構想を発表

ロシア版シリコンバレー構想?

2017年11月、ロシアは、シベリアかロシア極東にビットコインなどのマイニングやブロックチェーンに特化した街が建設される可能性があると発表しました。

このロシアのビットコインシティに世界中から優れた人材が集まることで、将来的にアメリカのシリコンバレーを凌ぐ先端技術のメッカにするという構想もあるようです。

新たな収入源

ロシアは外貨収入を石油や天然ガスなど、エネルギーの輸出に多くを依存して来ました。

しかし、エネルギーが豊富なため電気代が安く、しかも寒冷なロシアはビットコインマイニングにはうってつけで、ビットコインなどをマイニングすることで新たな収入源となるという計算もあるのでしょう。

寒冷で電気代の安い国であればロシア以外でも、こういう国策としてマイニングに注力する国は増えてくるかもしれませんね。

イーサリアムのヴィタリック氏と会談して考えが変わった?

かつて、ロシアはビットコインをはじめとした仮想通貨全般に非常に否定的な国でしたが、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでイーサリアム開発者のヴィタリック・ブテリン氏と会談したことでプーチン大統領は考えが変わったのでしょうか?

中国が規制を強め、マイニング大国ではなくなって来ているのに対し、ロシアはマイニングやブロックチェーン技術に非常に積極的です。

クリプトルーブル構想

ロシアはまた法定通貨のルーブルを仮想通貨化したものを構想しています。

法定通貨を仮想通貨化したものはデジタル通貨と呼ばれます

経済制裁を受けているベネズエラが、国家として初めてICOを行い資金を調達したことは記憶に新しいですが、今後は国家がデジタル通貨や仮想通貨を発行する流れは加速してきそうですね。

プーチン大統領の危機感

プーチン大統領はロシア最大の銀行、Sberbankの頭取との会談でこう言っています。

「ブロックチェーン技術のレースに遅れてしまうと、先にブロックチェーンに適応した指導者達に従属することになるだろう」

仮想通貨をいち早く通貨として認め、仮想通貨の法整備先進国の日本は、仮想通貨取引に対する世界一高い税制などが改まり、日本で仮想通貨が更に普及する環境が整って行くと良いですね。

4.JPモルガンCEO、ビットコインを認める

世界有数の巨大金融機関

CEOのダイモン氏が2017年にビットコインに関する数々の否定的発言を繰り返して、それで実際にビットコイン価格が大きく下落しました。

氏は中央銀行の管理が及ばないビットコインがかなりお嫌いなようです。

CEOがビットコインを否定する発言をする一方で、JPモルガンの一部では価格の下がったビットコインのデリバティブを取引する動きもあり、これは相場操縦事件だとしてダイモン氏は起訴されます。

金融界に走ったブロックチェーンの衝撃

今後、ブロックチェーンやAI、ロボットの普及で人間の雇用はどんどん無くなっていくと言われていますが、ブロックチェーン技術により最も大きな変革が迫られ、また失業者が多く出る業種の一つは金融業だと言われています。

金融界はブロックチェーンを当初は無視していたような印象でしたが、次の段階では否定的発言をするようになり、ついには受け入れて、寧ろそこから利益を得ようとするようになったという感じですね。

ビットコインは否定しつつも…

CEOのアンチビットコイン発言の一方で、JPモルガンはブロックチェーンには非常に積極的です。

イーサリアムの活用法を共同で研究し、業界標準を作るための『イーサリアム企業連合』には発足当初から参加していました。

また、JPモルガンは、2017年5月には、高い匿名性を保って送金ができることで有名な仮想通貨ZCASHを開発したZcash Electric Coin Companyとパートナーシップを結んでいます。

・匿名通貨

コインチェックが金融庁に認可されなかったのは匿名通貨のDASHやMonero、ZCASHを扱ってるからじゃないかという憶測は以前からありましたし、今後、マネーロンダリングや犯罪への利用を未然に防ぐために匿名性の高い通貨が規制される可能性はあります。

しかし一方で、JPモルガンのお得意さんになるような超富裕層や政治家にも財産を隠したり、こっそりをお金を受け取ったり渡したりしたいという需要はありますから、今後も匿名通貨は何らかの形で存在し続けていくかもしれないですね。

ビットコインバイブル

 

CEOがあれほど扱き下ろしていたに関わらず、JPモルガンは2018年には『ビットコインバイブル』という本を投資家向けにリリースします。

ビットコインの活用法や今後の課題などだけでなく、仮想通貨を株式や債権とは別種のアセットクラスとして投資ポートフォリオに組み込むことを提言したりもしています。

随分お変わりになられましたね(笑)

5.ビットコインで支払いを受け付けていた闇サイト「シルクロード」

違法薬物や武器弾薬のネットショップ

元々、ビットコインの利用が広まっていったのは「シルクロード」というイリーガルなAmazon.comとでもいうようなサイトでの匿名決済手段としてでした。

普通のウェブブラウザではアクセス出来ないディープウェブ上にあったシルクロードは違法薬物だけでなく、殺人の請負などまで取引されていた闇サイトで、2011年2月に創設されています。

匿名での決済

ビットコインの送金履歴はブロックチェーンに記録され、それは誰でも確認できるので、実際、ビットコインはダッシュやモネロやZCASHのような匿名通貨ではありませんが、知識のある人であれば足がつかないようにすることは可能です。

2017年に猛威を振るったランサムウェアのWannaCryも、「もしコンピューターを再び使えるようにしたければ300ドル分のビットコインを払え」とビットコインでの支払いを要求していましたよね。

シルクロードは2011年から2013年に閉鎖されるまでの間に実に10億ドルを超える違法薬物を販売したとされていますが、犯罪組織の一員でもない一個人がネット上で匿名的に売買、決済するのは仮想通貨があったからこそ可能になったという部分は多々あるかもしれないですね。

サイトはその後どうなった?

サイトの運営者、ロス・ウルブリヒト氏は2013年にサンフランシスコの図書館でFBIに逮捕され、2015年に仮釈放なしの無期懲役刑を言い渡されます。

控訴するも判決は変わりませんでした。

ディープウェブにサイトを作って、決済は匿名で出来る仮想通貨を使用するという手法は多くの人が知るところとなったので、シルクロード閉鎖後も似たようなサイトを作る人はたえず、捜査機関との間でイタチごっこになっているようです。

まとめ

仮想通貨というと極端な値動きばかりが話題になりがちですが、ビットコイン関連の事件を見ていくだけでも、ビットコインやブロックチェーンが個人のレベルから国家のレベルでまで、着実に世界が変わっていっているのが分かりますね。

これまでは中央銀行や政府しか発行出来なかった通貨を個人でも発行出来るようになったというのがビットコインの最大の事件なのでしょう。

2018年3月現在、仮想通貨は全般的に価格が低迷していてあまり元気がないですが、中長期的に見れば未来はとても明るそうですね。