ビットコインのハードフォークとは?ハードフォークの歴史と今後

ビットコインであってビットコインでない?近年よく見かけるようになったビットコイン〇〇という仮想通貨。それらはどういったものなのか?その原因となるハードフォークとはなんなのか?本記事でわかりやすく解説いたします。

ハードフォークってなに?

仮想通貨の根幹であるブロックチェーンには、フォーク(分岐)と呼ばれる現象がおきます。簡単に説明すると、ブロックが連なって増殖していくなか、トラブルがきっかけでチェーンが二股に分かれて一時的に二つのブロックチェーンが存在するような状態になることです。

自然発生的に起こるフォークは時間とともに収束しますが、ハードフォークというのは意図的にフォークを起こすことです。そして同じく意図的に分裂させる行為で、ソフトフォークというものもあります。まずは両者の違いについて解説いたします。

ハードフォークとは互換性のない仕様変更

ソフトフォークというのは、全てのブロックの情報を書き換えることで、従来のコインをそのままバージョンアップさせるものです。ブロックチェーンは仮想通貨の全ユーザーが共有しているデータベースなので、ブロックチェーンがバージョンアップすれば、全ての仮想通貨が自動的にバージョンアップされるます。

それに対してハードフォークは、一定のチェーン以降のブロックの情報を書き換えることで、全く新しい仮想通貨を生み出します。そのコインは、素のコインとは互換性がありません。

そういった意味ではソフトフォークの方が無難に思われますが、ビットコインはハードフォークが盛んに行われています。その理由については後述します。

ハードフォークを行うとブロックチェーンが分裂する

前述の通りブロックチェーンがフォークすると、一時的に二つのブロックチェーンが並行して更新されていきます。ハードフォークはその現象を利用して、分岐した方のブロックチェーンを完全に独立させてしまうことです。

元々は一つだったブロックチェーンを二つに分かれてしまうということは、仮想通貨そのものも分裂するということになり、結果的に新しい仮想通貨が生まれるというのがハードフォークの仕組みです。

なぜビットコインのハードフォークが必要なの?

ハードにしてもソフトにしても、意図的にブロックチェーンをフォークさせる理由は「問題解決のため」の一言につきます。ここからは、ビットコインの問題とは何なのか?なぜハードフォークすることになったのか?について解説いたします。

ビットコインにはスケーラリビティ問題がある

2017年の世界的なビットコインブームにより、ビットコインは大きく価格上昇しました。仮想通貨の価格が上がるというのは、要するに取引される量も比例して増大するということで、ビットコインではそのため大きな問題が生じました。

ブロックチェーンというのは、世界中のユーザーのトランザクション(取引履歴)を記録するものです。そして、爆発的に増大したビットコインのトランザクションの量は、遂にブロックチェーンの限界を超えてしまったのです。

ブロックチェーンは一つのブロックの容量が1MBで10分ごとに新しいブロックが生成される仕組みです。そして、2017年は次々に追加されるトランザクションのスピードに、新規ブロック生成が追いつかず、ブロックチェーン内で渋滞のような現象となってしまったのです。

そのため、ビットコインは取引の決済スピードの著しい低下と、送金コストの割増という問題を抱え、このことは「スケーラビリティ問題」と呼ばれています。

スケーラリビティ問題解決のためにコミュニティ内部が対立

スケーラビリティ問題の解決のため、Bitcoin Coreという開発担うグループはSegwitという機能を実装させるUASF(ソフトーフォーク)を提案しました。ブロックチェーンを道路、トランザクションを車とするなら、車を小さく圧縮して渋滞を解決しようという発想です。

それに異を唱えたのが、Bitcoin Unlimitedというマイナー集団です。マイナーというのはここでは管理者のようなものとご理解ください。Bitcoin Unlimitedは可変ブロックによUAHF(ハードフォーク)を提案しました。こちらは道路そのものを大きくしようという発想です。

普通なら、開発を担うグループの意見が強いものですが、ビットコイン「非中央集権」であり、開発者も管理者も立場は平等です。そのため議論は平行線を辿り、遂には各自で勝手に解決していくことになりました。

そしてBitcoin Unlimitedのアイディアにより、ハードフォークが実行されました。予定ではBitcoin Coreのソフトフォークも実行される予定ですが、2018年の5月現在に至っても実行されていません。

2017年のビットコイン3回の分裂

2017年に初めてビットコインはハードフォークされました。そして、それ以降もハードフォークは3回にわたって行われ、すでに3つのコインが誕生しています。

2017年8月ビットコインキャッシュ誕生

一番最初にビットコインからハードフォークされたコインです。前述の通りBitcoin Unlimitedの提案で可変ブロックが実装され、ブロック容量は1MBから8MBまで拡大、スケーラビリティを大きく向上させました。

元祖ハードフォークコインであるためか、現状では唯一高い将来性を秘めたハードフォークコインです。価格は既に仮想通貨ナンバー2であるイーサリアムと肩を並べるほどです。

2017年10月にビットコインゴールド誕生

ブロックチェーンを管理して報酬としてビットコインを貰うという行為を「マイニング」と言いますが、ブロックチェーンは難易度が高く高額な専用機器やハイスペックPCを要します。

マイニングの難易度を下げることによって、新規参入の敷居を低くしようという目的で生み出されたのがビットコインゴールドです。マイニングのしやすさに特化しているのですが、一般ユーザーの関心を惹くには今ひとつなのか、価格はビットコインキャッシュと比べて地味な印象です。

2017年11月にビットコインダイヤモンド誕生

ビットコインキャッシュと同じく、取引スピードの向上に加え、プライバシーの保護と総発行枚数の増大により、新規参入を促す目的で生み出されたのがビットコインダイヤモンドです。

ビットコインやビットコインキャッシュと比べても機能性は格段に優れているものですが、現状では機能の割には価格が追いついてない印象です。

なぜビットコインが分裂されると無償付与されるの?

ビットコインからハードフォークされたコインは、ビットコインユーザーであれば取引所から無料で付与されます。なぜそのような大盤振る舞いを行うかというと、ユーザーの利益を守るためです。

ビットコインからハードフォークされたコインは、どれも素のコインよりも機能性が優れています。そのため、ビットコインの価値が大幅に下がってしまう可能性があります。そうなれば、ビットコインユーザーの損益は計り知れません。

そういった事態を避けるため、仮にそうなってもユーザーが損益を被らないように、ハードフォークコインは無条件でユーザーに配布されるのです。

ハードフォークはまだ続く

ビットコインのハードフォークは今後もまだ続くと予想されます。なぜなら、前述の通り今なおビットコインのスケーラビリティ問題は解決されていないからです。

そして、それははビットコインのシェアを奪うチャンスであるとも言えます。そのため、様々な開発グループがハードフォークに参入しているため、すでに3つのビットコイン〇〇が誕生しているのです。同じように機能性をさらに向上させたビットコインのハードフォークコインが生まれる可能性は高いです。

2018年に予想されるハードフォーク

2017年末から2018年始にかけて、ビットコインはハードフォークラッシュが起きて次々と新しいハードフォークコインが誕生しました。名称は以下のものです。

  • スーパービットコイン
  • ビットコインライトニング
  • ビットコインゴッド

しかし、上記のものは現状においては注目度は低く、価格も草コイン並みなので今後については予想できません。購入できる取引所も限られているようなので、様子見段階といったところでしょう。

続いては、2018年にハードフォークが予定(噂)されているコインをご紹介します。

フォックスビットコイン

エアドロップという分散化に特化したコインであるようです。これにより、企業が利用しやすくなるとされ「ビジネス向け」のビットコインとなりそうです。しかし、2018年4月に予定されたハードフォークが実行された様子もなく、本当に生まれるのかもわからないのが現状です。

ビットコインキャッシュのハードフォーク(名称未定)

こちらはビットコインではなく、ビットコインキャッシュのハードフォークです。ブロック容量が32MBとさらに拡大され、さらに取引が迅速化されます。現在で、最も価格が上昇しているハードフォークコインがビットコインキャッシュなので、ユーザーからの期待値も高いです。

まとめ

よく誤解されがちですが、ビットコインと名がついているからといって、ハードフォークコインはビットコインとは関係ありません。兄弟のようなものと解釈することもできますが、しかしどちらかというとビットコインの地位を奪うために作られるものなので、むしろ他のアルトコインと同じくライバル関係と言った方が正しいです。

つまりは、その名称は今後の将来性を保証する根拠にはなり得ないと言えます。ビットコインとハードフォークコインは全くの別物であるということは既に解説した通りです。ハードフォークコインを購入するなら名称に惑わされず、きちんと実態を見極めてから購入することが重要です。