数ある仮想通貨の中でも群を抜いた人気を誇るビットコイン。
最近では「使える通貨」として様々な決済に使用できるようにもなってきましたが、目に見える普通のお金と違い、財布に入れたり銀行口座に預けたりすることは出来ません。
そこで必要になるのが、自分専用の「ウォレット」です。
ウォレット、直訳すれば「財布」を意味しますが、もちろん現金などを入れる一般的な財布とは異なります。
実際、ビットコインについて知っていく中で必ず出てくるこのウォレットについて、具体的な役割や必要性、また使い方など、詳しくご存じでない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はビットコインを運用する上で重要なこのウォレットに注目し、その中でも特におすすめしたい「ウォレットアプリ」を紹介したいと思います。
基本情報の解説だけでなく、それぞれを徹底的に比較しながらおすすめのウォレットアプリを紹介していきますので、ぜひ一通り目を通してみてください。
目次
ビットコインのウォレットアプリとは?
ウォレットアプリそれぞれの紹介に入る前に、まずは基本情報から抑えておきましょう。
ウォレット自体の役割や必要性、またウォレットアプリの具体的な内容も合わせて解説していきます。
そもそもウォレットとは
まず、実体のないビットコインは、通常のお金と保管の仕方や使用方法が大きく異なります。
ポイントとして以下の3つを抑えておきましょう。
- ビットコインアドレス…銀行の口座番号のような役割を持ちます。ビットコイン送金時にはこの送金先のビットコインアドレスが必要です。
- 公開鍵…自分だけでなく全世界に公開される鍵で、これを簡易化したものがビットコインアドレスになります。
- 秘密鍵…自分だけにしか分からない暗号鍵です。ビットコイン送金時にはこの秘密鍵でビットコインアドレスに署名することで初めて送付が可能になります。
上記3点についてはあまり難しく考えず、ビットコインアドレスは「口座番号」、公開鍵は「身分証」、秘密鍵は「暗証番号」だと、銀行にならってイメージすればわかりやすいでしょう。
そしてビットコインのウォレットとは、上記3点を管理するための財布、もしくは銀行口座のような役割を果たすものだと考えてください。
ウォレットアプリについて
そもそもビットコインのウォレットには様々な種類があります。
以下をご覧ください。
- ハードウェアウォレット…専用機器にてオフラインで管理するタイプ
- ペーパーウォレット…必要な情報を紙に印刷した形のタイプ
- デスクトップウォレット…パソコンの専用ソフト、もしくはアプリで管理するタイプ
- ウェブウォレット…サイトでアカウントを解説し、サーバー内で管理するタイプ
このように一口にウォレットといっても様々な種類が存在します。
中でも、スマホに保管出来て持ち運び便利な点などの理由でおすすめしたいのが「アプリウォレット」です。
アプリウォレットとは文字通り、スマートフォンアプリを用いて管理するタイプのウォレットで、その手軽さと使い勝手の良さで人気を集めています。
最近では仮想通貨取引所も専用のスマートフォンアプリを用意しているところも多いので、「いつでもどこでもビットコインを運用したい!」なんていう人には特におすすめですね。
ビットコインのウォレットアプリ7選を徹底比較!
現状、様々なビットコインのウォレットアプリがリリースされていますが、今回はその中から7つのアプリを厳選し、基本スペックや特徴を比較しました。
それぞれの特徴を踏まえながら、おすすめアプリをランキング形式で紹介していきますので、好みに合ったウォレットアプリを探してみてください。
機能や特徴を一覧で比較
ビットコインのウォレットアプリから7つを絞り込み、以下の項目で比較表を作成しました。
アプリ名 | iOS | Android | 日本語対応 | 取引 | セキュリティ |
bitFlyer | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Zaif | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Blockchain | 〇 | 〇 | △ | – | 〇 |
Copay | 〇 | 〇 | 〇 | △※ | 〇 |
Jaxx | 〇 | 〇 | – | – | 〇 |
Bread(BRD) | 〇 | 〇 | 〇 | – | 〇 |
Mycelium | △ | 〇 | 〇 | – | ◎ |
※Copayは海外取引所のcoinbaseとGlideraのみ対応
一覧比較で見てみてやはり気になるのは、日本語への対応と取引の対応可否でしょうか。
言語の違いは使いやすさに直結しますので、アプリ選びの際に重視したいところですが、アプリによってはデザイン性によって使いやすさを高めているものもありますので一概には言い切りません。
また取引対応の有無についても、「ウォレットアプリをどのような目的で使うか」、個人個人の好みによっても評価が分かれるでしょう。
少なくともウォレットアプリとして導入するなら、セキュリティ性の高さだけは大前提として重視したいところです。
おすすめのウォレットアプリはどれ?特徴やメリット・デメリットを解説
アプリとして使うなら、対応OSは最低限チェックするべき項目ですし、頻繁に使っていくなら、日本語対応やセキュリティも重視したいところですよね。
先ほど紹介した一覧表で比較してみると、それぞれの特徴が大体イメージできるかと思いますが、ここからさらにアプリごとの特徴やメリット・デメリットを解説していきましょう。
bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットコインの取引量、国内No,1を誇る取引所bitFlyerのアプリです。
日本の取引所がリリースしているアプリということもあり、もちろん使いやすさと操作性の満足度は高く、取引も行えますので総合力の高いアプリだと言えるでしょう。
また、大切な仮想通貨を守る上で重要となるセキュリティ対策にも余念がありません。
に断簡認証、指紋認証、パスワードなどの設定を行っておけば、たとえスマートフォン自体を紛失した年もウォレットの中身が流失してしまう危険を回避しやすいでしょう。
もちろん取引所が出しているアプリなので、ビットコインの取引や運用面での使い勝手にも優れています。
アプリ内でチャートのチェックから売買を行えるだけでなく、LINEやFacebookからビットコインを送金できる「Pay機能」も搭載。
このアプリ一つで、ビットコインの保管から運用、送金まで、幅広い場面で使えるアプリとして特に今、おすすめしたいアプリのひとつです。
Zaif(ザイフ)
国内取引所「Zaif」が提供するモバイルアプリは、トータルバランスに優れ、決定的なデメリットも特に見当たりません。
特に、Zaifを取引所として利用しており、すでにアカウントを持っている方にはおすすめ。取引所のサービスをそのままアプリ内で利用できるため、送金や取引をアプリを通して行える点は魅力的です。
さらにZaif独自のトークン売買機能が付いている点が特徴的で、ビットコインをはじめとした代表的な仮想通貨以外の運用を行いたい人にもおすすめ。
ただし、ブラウザ版に比べるとアプリ版の使い勝手に難色を示す人も少なくないよう(チャートや取引画面が見にくい、など)で、今後の改善・改良にも期待したいアプリです。
Blockchain
世界的に支持を集める老舗ビットコインウォレットです。
公式サイトによると、すでに2,000万人近くのユーザーが利用しているということで、世界中で使われているウォレットとして、高い信頼性を持ったアプリだと言えるでしょう。
ビットコイン決済が可能な店舗をマップで表示してくれる点が、アプリとしての大きな特徴のひとつです。
もちろんウォレットとしてのクオリティも高く、二段階認証・指紋認証をはじめとした固いセキュリティ性をはじめとし、ウェブウォレットとのペアリングによる、PC・アプリ両方からの管理を可能とするなど、使いやすさの面でも優れた特徴を兼ね備えています。
ただし、アプリに関して日本語には対応しているものの、ところどころで不自然な日本語訳も見られますので、慣れるのに時間がかかる場合もあるかもしれません。
Copay
このウォレットアプリの特徴として、特に人気なのが共有ウォレット機能です。
ひとつのアカウントを、複数の秘密鍵で共有できるマルチシグネチャという機能に対応しており、共有ウォレットとしての利用が可能。
さらにひとつのアプリ内に複数のウォレットを持つことも可能ですので、ウォレットを使い分けたい人にもおすすめです。
デメリットとしては、アプリ上での取引が海外取引所に限定されてしまう点でしょうか。
国内取引所で主に取引を行う人にとっては使い勝手の面で、多少の不足感を感じてしまうかもしれません。
Jaxx Blockchain Wallet
仮想通貨の運用を行っている人の多くは、ビットコイン以外の運用も並行して進めていることでしょう。
そんな「複数の仮想通貨を運用したい人」におすすめなのがこのウォレットアプリです。
50種類以上の通貨に対応しており、マイナー仮想通貨の運用にも力を入れたい人にはピッタリ。
ただし、日本語非対応となっており、説明文からすべて英語表記となっていますので、見やすさや操作性においては戸惑う場面もあるかもしれません。
またiOS版のみに対応していない仮想通貨もあるため、事前に対応通貨のチェックを行ったうえで導入するようにしましょう。
Bread(BRD)
ビットコイン専用ウォレットであるBread(BRD)は、120か国以上で利用されている国際的にも知名度の高いアプリです。
デザインがシンプルで見やすく、初心者でも使いやすい点が大きな特徴で、さらに秘密鍵を端末上で保管するシステムとなっているため、ビットコインが盗難に合う可能性を回避しやすい点も見逃せません。
注意点としては、アプリ内でビットコインの表記が「b」とされている点です。
1BTC=1,000,000bとなりますので、利用時には注意しましょう。
Mycelium
ビットコインウォレットとして、特にセキュリティ面を重視したい人におすすめなのがこのアプリです。
最大の特徴はコールドストレージ機能によって、オフラインでウォレットを管理できる点。ペーパーウォレットなどのQRコードを読み取る機能が搭載されており、オフライン環境下でビットコインを保管できるため、WEBウォレットなどでは懸念点となるハッキングによる盗難や不正送金防止に強いところが非常に魅力的です。
注意点としてはアプリの仕様がAndroid版とiOS版で異なる点になります。
iOS版は日本語に対応していないだけでなく、機能面でもAndroid版に劣るため、特にAndroidにおすすめできるアプリと言えるでしょう。
ビットコインのウォレットアプリ比較まとめ
ここまでビットコインのウォレットアプリについて、厳選した8つのアプリを紹介してきましたが、使い方や好みによって人それぞれ相性の良し悪しは変わります。
その点を踏まえたうえで、特に重要なポイントを最後にまとめておきますので、ビットコインのウォレットアプリ選びの際には参考にしてみてください。
・日本語対応の有無だけでなく、操作性・使いやすさで選ぶ
・ビットコイン以外の対応仮想通貨もチェック
・ウォレットのみとして使うか、取引にも使うかでふるい分ける
以上の点がビットコインのウォレットアプリ選びの際に重視してほしいポイントです。
アプリウォレットの特徴は何と言っても、「身近にあるスマートフォンで使える」という利便性の高さ。
機能面で選ぶだけでなく、まずは「自分にとってストレスなく使えること」を前提に置きながら様々なアプリを試してみてはいかがでしょうか。